総合血管外来
動脈硬化症は、進行すると脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎不全、下肢壊疽を引き起こす病気です。動脈硬化症、ことに心筋梗塞を中心とした心血管系疾患と、脳梗塞・脳卒中を中心とした脳血管障害による死亡は、日本人の死因統計上がんと並んで大きな位置を占め、死因の約30%に及んでおり、動脈硬化症の予防要な課題となっています。しかし、進行するまで自覚症状を認めないため、危険因子を複数有する高リスク患者さんにおいても、放置されているケースを多々認めます。
動脈硬化症の危険因子となる疾患としては、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などに加え、慢性腎臓病、高尿酸血症なども挙げられています。したがって、動脈硬化症を予防するためには、危険因子を有する患者さんの動脈硬化の有無と程度を評価し、危険因子の管理・治療が重要です。そのためには、動脈硬化の進展度を評価し診断する必要があります。動脈硬化症は早期発見、早期治療が重要であり、動脈硬化症の診断、危険因子への介入が重要と考えられます。
当院では、糖尿病・内分泌・代謝内科、循環器内科、腎臓内科、形成外科を中心に診療科の枠を超え、動脈硬化症危険因子を有する患者さんに対して、動脈硬化症の検査を行い診断(必要時には治療)、危険因子の管理のための教育(必要時には治療)を行う、総合血管外来を開設することといたしました。
当院では、総合血管外来の検査、治療、患者教育を通じて動脈硬化症の発症予防を目指し、ひいては予後やQOLの改善にお役立ていただけるものと考えております。
対象となりそうな患者さんがいらっしゃいましたら、いつでも当院内科外来へご連絡下さい。お待ちしております。