一般利用者の皆さまへ

「乳がんのリスクが高い方への任意型乳がん検診」のご案内

遺伝性乳がん

乳がんは女性の部位別罹患でトップを占めており、罹患率は年々上昇しています。現在、女性の11人に1人が乳がんになるとされており、熊本県では1年間に1,300〜1,500人ほどが新たに乳がんと診断される(罹患する)と推定されます。


乳がんと診断された人の1割ほどは、親から子へ乳がんの原因が受け継がれる「遺伝性乳がん」であると報告されています。そのうち3分の1程度が、アメリカの女優さんが有名にした「遺伝性乳がん卵巣がん症候群HBOC」と考えられます。


「遺伝性乳がん卵巣がん症候群HBOC」は、BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異あるいは機能異常により、高率に乳がん・卵巣がんを発症する遺伝性疾患です。80歳になるまでに7割程度の人が乳がんになることが分かっています。熊本県では1年に40〜50人ほどの新規の「遺伝性乳がん卵巣がん症候群HBOC」による乳がんの罹患が予想されます。


乳がんを発症していない「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」の人は、乳がん発症のハイリスクグループとされ、乳癌診療ガイドラインでは、このようなBRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異をもつハイリスクグループに対して、乳房MRIスクリーニングを行うように勧めています(推奨グレードB)。


20歳頃からのスクリーニングやリスク軽減目的の予防的乳房切除、卵巣・卵管切除も推奨されています。


乳がん発症ハイリスクグループに対する乳房MRIスクリーニングに関するガイドラインでも、乳がん未発症のHBOC以外に、HBOCが疑われるHBOCスクリーニング検査の対象者・候補者、「HBOCかんたんチェック」のチェック項目の該当者、その他の遺伝性乳がんのリスク保持者、医師により濃厚な家族歴と判断されたものに対し、乳房MRIスクリーニングを実施するよう勧めています。


HBOCとは別の遺伝性乳がん関連疾患のひとつである、リ・フラウメニ(Li-Fraumeni)症候群などでは、放射線被曝により発がんの可能性がありマンモグラフィーが禁忌のため、乳房MRIスクリーニングが推奨されています。

高濃度乳腺

日本では、乳がん検診対象者の3〜4割が高濃度乳腺とされており、高濃度乳腺では乳がんの発症リスクが高いことが知られています。


そのため、乳がん検診の際に判明する、高濃度乳腺かどうかについての情報開示を求める声が上がるようになってきました。しかし、対策型乳がん検診とは別に、個人として乳がんによる死亡リスクを減らすために、人間ドックのように任意で行う乳がん検診などの基盤整備が未だ不十分であることが指摘されています。高濃度乳腺に対する対応がわが国では決まっていないことから、現在、対策型乳がん検診では基本的に通知されないこととなっています。


40歳以上50歳未満の女性については、背景乳腺の濃度が高い高濃度乳腺であることが多く、マンモグラフィーの感度が低下することが判明しています。また、乳房超音波検査を併用することにより、異常を発見することは増えますが、それほど悪くないものも調べなくてはならなくなる不利益が発生する可能性があります。


50歳以上の女性でも高濃度乳腺では感度が低下すると考えられています。


ハイリスク群として、乳房MRIスクリーニングも推奨されています。

乳がん検診について

検診を考える前に

検診の前に、すでに「乳房のしこり」、「乳房のえくぼ」、「乳頭からの血液のような分泌物」、「乳房の痛み」といった自覚症状がある場合は、乳腺外科などの診療科(当院では、「乳腺・内分泌外科」)を受診して症状に合わせた検査が必要です(医療保険適応)。

一般的な乳がん検診とは

乳がん検診の受診率が低いこともあり、乳がん発見の契機はまだまだ半数が「自己発見」であり、「検診で発見」は3割程度にとどまっています。


「マンモグラフィー検査(乳房X線検査)」による乳がん検診は、乳がんによる死亡リスクを減らすことが医学的・科学的に確認されていることから、地域住民の乳がん死亡(死亡率)を減らすため、「対策型乳がん検診」に採用され、40歳以上の女性を対象として2年毎に実施されています。通常、NPO法人精中機構(日本乳がん検診精度管理中央機構)の認定を取得している検診機関に委託され実施されており、こうした検診機関では50歳以上の女性ではおよそ84%の乳がんが見つかるとされています。


自覚症状や家族歴などがなく、乳がんのリスクが高くない人については、このような「対策型乳がん検診」をお勧めいたします。


基本的に自己負担(自費)となりますが、受診には自治体などからの費用負担補助があり、通常7,000円〜10,000円の検査が1,000円〜2,000円程度で実施できるようになっています。受診に関しては、各自治体の窓口や市政だよりなどを参考にして下さい。

一般的な乳がん検診の対象外・不適当な人とは

次のような場合、一般に行われている「対策型乳がん検診」では、乳がんの検出が不十分になったり、検診の受診自体が対象外であったりします。


遺伝性乳がんの発症リスクが高い場合や高濃度乳腺

・遺伝性乳がんの発症リスクが高い人
・「高濃度乳腺」であることが判明している人


これらの人は、乳がんの発症リスクが高いと考えられ、また、マンモグラフィー検査による「対策型乳がん検診」だけでは十分に乳がんを発見できない可能性が報告されています。

40歳未満の若年女性

40歳未満の若年女性については、もともと乳がんの罹患率が低く、また、20歳台など若い時期の乳房の放射線被曝により乳がんの発症リスクがかえって高まることが知られていることから、「対策型乳がん検診」の対象とされていません。

乳房の皮膚に露出する病変やケガがある人

病変やケガの治療が完了してからの検査が望ましいため、治療が可能な医療機関を受診しましょう。

妊娠中・授乳中の人

妊娠中の人は、赤ちゃんへの放射線被曝の点からマンモグラフィー検査はできません。授乳中や断乳後にまだ乳汁分泌が続いている人は、圧迫により母乳が出てしまうことからマンモグラフィー検査はできません。40歳以上であれば、通常は授乳が終了したところで乳がん検診を検討します。


乳汁の異常な分泌がある場合は医療機関を受診しましょう。

心臓ペースメーカーや植え込み型除細動器ICDなどの医療機器

「心臓ペースメーカー」や「植え込み型除細動器ICD」などの医療機器が前胸部にある場合、マンモグラフィー検査の乳房圧迫によって医療機器本体やリード(電線)がずれて、機能障害を起こす可能性がありますので、マンモグラフィー検査による乳がん検診はお勧めできません。

乳房インプラント、生理食塩水バッグ、シリコン注入など

乳房インプラントや生食バッグが挿入されていたり、豊胸術などでシリコン液が注入されていたりする場合、挿入されているインプラントなどの損傷の可能性といった危険性や、所定の検査方法が適応できないことによる検査精度の低下の可能性から、マンモグラフィー検査による乳がん検診はお勧めできません。

中心静脈カテーテル・ポートの鎖骨下への埋め込み後

中心静脈カテーテル・ポートが鎖骨下に埋め込まれている場合、挿入されているポートやカテーテルが損傷したりずれたりして使用できなくなる危険性や、所定の検査方法が適応できないことによる検査精度の低下の可能性から、マンモグラフィー検査による乳がん検診はお勧めできません。

「放射線やマンモグラフィー検査による有害反応」が起こる人

リ・フラウメニ(Li-Fraumeni)症候群など、一部の遺伝性疾患や放射線過敏症の場合は、放射線被曝により通常より有害な身体への影響が出やすいことから、マンモグラフィー検査はできません。


以前のマンモグラフィーで「耐えられない痛み」があった人などは、マンモグラフィー検査はできません。

男性

男性については、もともと乳がんの罹患率が低くマンモグラフィーに適していないことから、「対策型乳がん検診」の対象とされていません。

任意型乳がん検診

当院では、乳がん発症のリスクが高い人をはじめ、一般的な「対策型乳がん検診」の対象とならない人あるいは不適当となる人向けに、個人として乳がんによる死亡リスクを減らすための人間ドックのように、「任意型乳がん検診(任意で行う乳がん検診)」のご利用が可能です。


マンモグラフィー検査以外に、乳房造影MRI、超音波検査(エコー)などの別の検査方法も含めたスクリーニングコースをご提供しています。


基本的に全額自己負担(自費)となりますが、医療費控除の対象となることもあります。

対策型乳がん検診と任意型乳がん検診の違い

対策型検診 任意型検診
市区町村や職域・健保組合などの

がん対策担当機関
個人の自己管理の一環
住民検診など 人間ドックなど
対象集団全体の死亡率を下げる 個人の死亡リスクを下げる
対象となる集団の特定の人が対象 不特定の希望者が対象
公共性を重視 サービス提供者の方針や利益を優先
対象者に等しい受診機会
個人の負担を可能な限り軽減
参加の有無については、受診者個人の判断
検診費用は基本的に無料あるいは一部小額の自己負担 検診費用は全額自己負担/健保組合などで一定の補助がある場合もある
がん検診の必要性や利益・不利益について
広報等で情報提供
がん検診の限界や利益・不利益について、文書や口頭で説明
死亡率減少効果が示されている方法 死亡率減少効果が証明されている方法以外に、個人あるいは検診実施機関により、死亡率減少効果が明確ではない方法が選択される場合がある
特異度が重視され、不利益を最小化することが重視されることから、最も感度の高い検診方法が必ずしも選ばれない 最も感度の高い検査が優先されがちであることから、特異度が重視されず、不利益を最小化することが困難である
有効性評価に基づき
がん対策担当機関が選ぶ検診機関
個人の判断で、サービスを提供する検診機関・医療機関を選択して受診
精度管理認定施設などの検診機関に委託 検診機関ではない医療機関も含まれる
がん登録を利用、追跡調査も含め、一定の基準やシステムのもとに、継続して精度管理される 精度の管理は、一定の基準やシステムはなく、提供者の裁量に委ねられている

ご注意/任意型乳がん検診に関してご了承いただきたいこと

検診の限界と不利益について

「任意型乳がん検診」では、乳がんではない人を除外することを優先する「対策型乳がん検診」と異なり、乳がんの人を見つける精度(感度・発見率)を優先した検査を用いて乳がんを検出しますが、検査精度に関する医学的な限界、個人差などから100%乳がんを検出できるわけではありません。


また、個別の状況に応じて乳房超音波検査(エコー)や乳房MRIなど、マンモグラフィー検査以外の検査方法も選択されます。科学的に最もがんを発見する精度(感度)が高い検診方法を優先して使用することから、目的や悪くないものを悪くないと判断する精度(特異度)が優先される「対策型乳がん検診」と違い、場合によっては過剰な検査となり、良性の病変に対する生検など身体的な侵襲を伴う検査の追加、経過観察のための定期的な受診などの不利益が生じる可能性も考慮する必要があります。

乳房造影MRIで使用する造影剤について

乳房造影MRIでは、転移を引き起こす能力を身に着ける前の段階である「非浸潤性乳がん」など微小な病変を発見しやすくするために、「造影剤」という薬剤を注射して撮影を行います。使用しない場合に比べて格段に発見率が高くなりますが、造影剤は他の薬剤同様、アレルギーなどの有害な副作用を引き起こす可能性があり、軽いものから命にかかわる危険なものまでが予想されます。頻度としてあまり多くありませんが、万が一、副作用が起こった場合は当院の他の診療科も含めて適切な対応を行います。


薬物アレルギーのある人や喘息などのアレルギー症状がある人などは頻度が高くなることが報告されており、危険性が高いと判断される場合には実施できないことがあります。そういった場合に、選択可能なオプションについてはお問い合わせ下さい。

任意型乳がん検診コースの選び方

大きく分けて、

・「乳がんの発症リスクが高い人」向けの検診コース(乳房造影MRI)
・「一般的な乳がん検診の対象外・不適当となる人」向けの検診コース

があります。


順を追って、「乳がんの発症しやすさ」や、「個人の身体の状態」を評価して、それに応じた検診コースを選択します。

  1. はじめに、「乳がんの発症しやすさ」についてのリスクを評価しましょう。「遺伝性乳がんのリスク」、「高濃度乳腺」の2つについてチェックして下さい。
  2. 「遺伝性乳がんのリスク」、「高濃度乳腺」のどちらかにあてはまる項目があった場合は、乳がんの発症リスクが一般の人より高いと考えられますので、「乳がんの発症リスクが高い人」向け検診コースをお勧めします。
  3. 「遺伝性乳がんのリスク」、「高濃度乳腺」の2つについてあてはまる項目がなかった場合は、乳がんの発症リスクは一般の人と変わらないと考えられますので、基本的には一般的な「対策型乳がん検診」の受診をお勧めします。マンモグラフィー検査による一般的な「対策型乳がん検診」ができるかどうかについて、「個人の身体の状態」をチェックしてみましょう。
  4. 「個人の身体の状態」にあてはまる項目がなかった場合は、マンモグラフィー検査による一般的な「対策型乳がん検診」に支障はありません。地域住民の乳がん死亡(死亡率)を減らすため、自治体などが40歳以上の女性を対象として2年毎に実施していますので、各自治体の窓口や市政だよりなどを参考にして下さい。
  5. 「個人の身体の状態」にあてはまる項目があった場合は、マンモグラフィー検査による一般的な「対策型乳がん検診」ができないと考えられます。当院で提供する「一般的な乳がん検診の対象外・不適当となる人」向け検診コースの中から選択可能なものがあるかどうかチェックしてみましょう。

遺伝性乳がんのリスクの簡単チェック

ご本人について、あてはまる項目がありますか?

□「遺伝性乳がん」の因子を持っている

□「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」と診断されている

□以前の乳がん検診で「高濃度乳腺」を指摘されている

□以前「乳がん」で手術などの治療を受けていた

ご本人やご家族・親戚の人について、あてはまる項目がありますか?

□40歳未満で乳がんを発症した人がいる

□乳がんを2個以上あるいは2回以上発症した人がいる

□男性で乳がんを発症した人がいる

□本人を含め家族に乳がんを発症した人が3人以上いる

□トリプルネガティブの乳がんといわれた人がいる

□卵巣がん(卵管がん・腹膜がん含む)の人がいる

□検査などでBRCAの遺伝子変異が確認された人がいる


あてはまる項目がある人は、遺伝性乳がんである可能性が一般の人より高いと考えられますので、乳房造影MRIコースをお勧めします。

高濃度乳腺のチェック

マンモグラフィー検査で、以前、「高濃度乳腺」と指摘されたことがありますか?


以前、「高濃度乳腺」と指摘されたことがある人は、乳がんを発症する可能性が一般の人より高く、マンモグラフィー検査だけでの発見が不十分になりやすいと考えられますので、乳房造影MRIコースをお勧めします。


「遺伝性乳がんのリスク」、「高濃度乳腺」の2つについてあてはまる項目がなかった場合は、乳がんの発症リスクは一般の人と変わらないと考えられますので、一般的な「対策型乳がん検診」の受診をお勧めします。マンモグラフィー検査による一般的な「対策型乳がん検診」ができないかどうかについてチェックしてみましょう。

個人の身体の状態のチェックリスト

以下に該当する場合は、マンモグラフィー検査に危険性を伴いますので必ずお知らせ下さい。

□40歳未満の若年女性

□遺伝性乳がんの発症リスクが高い場合や高濃度乳腺

□乳房の皮膚に露出する病変やケガがある人

□妊娠中・授乳中の人

□「心臓ペースメーカー」や「植え込み型除細動器ICD」などの医療機器

□中心静脈カテーテル・ポートの鎖骨下への埋め込み後

□乳房インプラント、生理食塩水バッグ、シリコン注入など

□「放射線やマンモグラフィー検査による有害反応」が起こる人

□男性

あてはまる項目があった場合は、マンモグラフィー検査による一般的な「対策型乳がん検診」ができないと考えられます。当院で提供する検診コースの中から選択可能なものがあるかどうかチェックしてみましょう。

一般的な乳がん検診の対象外・不適当となる人

40歳未満の若年女性

40歳未満の若年女性については、もともと乳がんの罹患率が低く、また、20歳台など若い時期の乳房の放射線被曝により乳がんの発症リスクがかえって高まることが知られていることから、「対策型乳がん検診」の対象とされていません。


ただし、遺伝性乳がんの発症リスクが高い人には、乳がんのスクリーニングが望ましいとされており、乳房超音波検査(エコー)や乳房造影MRIによる検診を検討します。

乳房の皮膚に露出する病変やケガがある人

病変やケガの治療が完了してからの検査が望ましいため、治療が可能な医療機関を受診しましょう。

妊娠中・授乳中の人

妊娠中の人は、赤ちゃんへの放射線被曝の点からマンモグラフィー検査はできません。授乳中や断乳後にまだ乳汁分泌が続いている人は、圧迫により母乳が出てしまうことからマンモグラフィー検査はできません。40歳以上であれば、通常は授乳が終了したところで乳がん検診を検討します。


乳汁の異常な分泌がある場合は医療機関を受診しましょう。


乳がんのスクリーニングが必要な場合、乳房造影MRIや乳房超音波検査(エコー)による検診を検討します。タオルや替えの母乳パットや下着などの準備、事前に母乳を空にしておくことなどが必要になります。


乳房造影MRIの場合は、造影剤の母乳移行が気になる場合は、検査後1〜2日間ほどの母乳については授乳を避けて下さい。


乳房超音波検査(エコー)の場合は、授乳期特有の乳房の変化によって、通常期の乳房より検査精度に影響が出ることをご了承下さい。

心臓ペースメーカーや植え込み型除細動器ICDなどの医療機器

「心臓ペースメーカー」や「植え込み型除細動器ICD」などの医療機器が前胸部にある場合、マンモグラフィー検査の乳房圧迫によって医療機器本体やリード(電線)がずれて、機能障害を起こす可能性がありますので、マンモグラフィー検査による乳がん検診はお勧めできません。


また、体内に医療機器があることからMRIは実施できません。


乳がんのスクリーニングが必要な場合、乳房超音波検査(エコー)による検診を検討します。

乳房インプラント、生理食塩水バッグ、シリコン注入など

乳房インプラントや生食バッグが挿入されていたり、豊胸術などでシリコン液が注入されていたりする場合、挿入されているインプラントなどの損傷の可能性といった危険性や、所定の検査方法が適応できないことによる検査精度の低下の可能性から、マンモグラフィー検査による乳がん検診はお勧めできません。


乳がんのスクリーニングが必要な場合、乳房造影MRIや乳房超音波検査(エコー)による検診を検討します。

中心静脈カテーテル・ポートの鎖骨下への埋め込み後

鎖骨下中心静脈カテーテル・ポートが鎖骨下に埋め込まれている場合、挿入されているポートやカテーテルが損傷したりずれたりして使用できなくなる危険性や、所定の検査方法が適応できないことによる検査精度の低下の可能性から、マンモグラフィー検査による乳がん検診はお勧めできません。


乳がんのスクリーニングが必要な場合、乳房超音波検査(エコー)や乳房造影MRI(MRI対応ポートの場合)による検診を検討します。

「放射線やマンモグラフィー検査による有害反応」が起こる人

リ・フラウメニ(Li-Fraumeni)症候群など、一部の遺伝性疾患や放射線過敏症の場合は、放射線被曝により通常より有害な身体への影響が出やすいことから、マンモグラフィー検査はできません。


以前のマンモグラフィーで「耐えられない痛み」があった人などは、マンモグラフィー検査はできません。


乳がんのスクリーニングが必要な場合、乳房造影MRIや乳房超音波検査(エコー)による検診を検討します。

男性

マンモグラフィー検査はできません。


乳がんのスクリーニングが必要な場合、乳房超音波検査(エコー)による検診を検討します。

任意型乳がん検診コースのご案内

コースから適切なものを選択して追加して頂く事が可能ですが、個人の身体の状態によってはご希望のオプションコースの受診ができないことがあります。その場合には状況に応じた別のコースをお勧めすることがあります。


医療保険の対象となりませんので、基本的に全額自己負担(自費)となりますが、医療費控除の対象となることもあります。

検診コースの内容と料金(いずれも税込)

乳房造影MRIコース/39,600円

・乳がん発症のリスクが高い、マンモグラフィー検査が適さない、妊娠中・授乳中の女性、乳房インプラント挿入や豊胸術、若年(20〜30歳代)、放射線過敏性がある人などを対象としたコースです。

・微小な病変を発見するための造影剤を点滴から注射して撮影を行います

・ご希望や必要に応じて、マンモグラフィー検査、乳房超音波(エコー)検査の追加も可能です。

・お申し込み前に、必ず「乳房造影MRIでの検診ができない人のチェックリスト」でご確認下さい。

マンモグラフィー+乳房超音波検査(エコー)/12,100円

・「対策型乳がん検診」と同じマンモグラフィー検査に、乳房超音波検査(エコー)を追加したコースです。

・はじめて乳がん検診を受診する女性、MRIが受けられないハイリスクの人、以前の検診結果に不安があり再検診の希望がある人などを対象としたコースです。

・お申し込み前に、必ず「マンモグラフィー受診ができない人のチェックリスト」、「乳房超音波検査(エコー)受診ができない人のチェックリスト」でご確認下さい。

乳房超音波検査(エコー)コース/5,500円

・主に、「しこり・腫瘤」といった病変を探すための検査です。

・マンモグラフィー検査が適さない、妊娠中・授乳中の女性、乳房インプラント挿入や豊胸術、ペースメーカー埋め込みなどの術後の方、若年(20〜30歳代)、放射線過敏性がある方、一般男性を対象としたコースです。

・造影MRIができない方、マンモグラフィーができない方にお勧めしています。

・お申し込み前に、必ず「乳房超音波検査(エコー)受診ができない人のチェックリスト」でご確認下さい。

マンモグラフィー(2方向)コース/7,700円

・「対策型乳がん検診」と同じマンモグラフィー検査による検診です。事情により、「対策型乳がん検診」の受診ができず、次回の受診までの間が心配な方に限ります。

・妊娠中の女性、放射線過敏性がある方、乳房インプラント挿入や豊胸術、ペースメーカー埋め込みなどの術後の方は実施できません。

・若年(20〜30歳代)、授乳中の女性には、通常はお勧めできませんが、事情などにより希望される場合は、お問い合わせ下さい。

・お申し込み前に、必ず「マンモグラフィー受診ができない人のチェックリスト」でご確認下さい。

オプションのコースの内容と費用(いずれも税込)

オプションコースから適切なものを選択して追加して頂く事が可能ですが、個人の身体の状態によっては、ご希望のオプションコースの受診ができないことがあります。その場合には状況に応じた別のコースをお勧めすることがあります。

マンモグラフィー/+6,600円

・「しこり・腫瘤」といった「浸潤がん」になる前の段階である「非浸潤がん」を疑う病変を探すのに向いている検査です。

・お申し込み前に、必ず「マンモグラフィー受診ができない人のチェックリスト」でご確認下さい。

乳房エコー検査コース/+4,400円

・主に、「しこり・腫瘤」といった「浸潤がん」を疑う病変を探すための検査です。

・お申し込み前に、必ず「乳房超音波検査(エコー)受診ができない人のチェックリスト」でご確認下さい。

乳房造影MRIでの検診ができない人のチェックリスト

以下に該当する場合は、危険性を伴いますので、必ずお知らせ下さい。


□「妊娠していないこと」がはっきりしていない

□「妊娠12週以降、妊娠28週未満であること」がはっきりしていない

□「閉所恐怖症」である

□「うつぶせ(腹臥位)」を30分以上続けられない

□「MRI対応でない金属・医療器具」が体内にある

○刺青(いれずみ)をしている方

○目に鉄粉(金属の粉)が入っている、あるいは入る恐れのあるお仕事をしていた

○「心臓ペースメーカー」や「植え込み型除細動器ICD」を使用している

○「脳動脈瘤用クリップ」等の金属磁性体による治療を受けた

○心臓に「人工弁」・「機械弁」を使用している

○水頭症の治療で体内に「調節弁」を使用している

○脱着できない「人工内耳」を使用している

○MRI非対応の「金属ステント」がある

○MRI非対応の「人工関節」、「人工骨頭」、「髄内釘」がある

○MRI非対応の「鎖骨下中心静脈カテーテル・ポート」を使用している

□「薬物アレルギー」がある

□「造影剤アレルギー」がある

□「気管支喘息」がある

□「腎機能障害」/「腎臓の病気」がある

□「血液透析」をしている


該当する場合は、MRIでの検診はできませんが、医師に相談の上、保険診療で検査が可能な場合もありますので、外来を受診して下さい。

マンモグラフィー受診ができない人のチェックリスト

以下に該当する場合は、危険性を伴いますので、必ずお知らせ下さい。


□40歳未満の若年女性

□遺伝性乳がんの発症リスクが高い場合や高濃度乳腺

□乳房の皮膚に露出する病変やケガがある人

□妊娠中・授乳中の人

□「心臓ペースメーカー」、埋め込み型除細動器などの医療機器

□中心静脈カテーテル・ポートの鎖骨下への埋め込み後

□乳房インプラント、生理食塩水バッグ、シリコン注入など

□「放射線やマンモグラフィー検査による有害反応」が起こる人

乳房超音波検査(エコー)受診ができない人のチェックリスト

以下に該当する場合は、危険性を伴いますので、必ずお知らせ下さい。


□乳房の皮膚に露出する病変やケガがある

□「妊娠12週以降、妊娠28週未満であること」がはっきりしていない

任意型乳がん検診のご予約・お申し込み方法

受診時期について

各検診コースは完全予約制で、受診できる曜日や定員が決まっています。(MRIは金曜日のみ、その他は火曜日・木曜日・金曜日)
※予約の取り消し、変更をされる場合は検査の1週間前までにご連絡下さい。

閉経後の方はいつでも受診できますが、生理のある方は、生理前に乳房が張るような時期は、乳腺が濃く映り、がんの検出能が落ちます。診断能力の低下を防ぐため、できるだけ乳房の張りが少ない時期である、生理開始から3週間の間に受診されることをお勧めします。

チェックリストについて

それぞれのチェックリストの該当する項目については、お申し込みの際にお申し出下さい。
受診内容に変更が必要なこともあるため、受診されたら最初に「乳がん検診問診票」をご記入下さい。

費用・その他について

それぞれの検診コースにおいて、医師による視触診については実施しておりませんが、事情などにより希望される場合は、窓口までご相談下さい。

費用は医療保険の対象外となり、一部自己負担ではなく全額自己負担となります。

申し込み先

ホームページをご確認の上、任意型乳がん検診受付までお電話でお申し込み下さい。


平日 (月曜〜金曜)10:00〜16:00

TEL 096-370-3111(代)内線2143

任意型乳がん検診の受診当日

お食事の制限や、普段飲んでいる薬の内服を控える必要は一切ありません。
下着も含めて脱衣して頂く必要がありますので、脱ぎ着しやすい衣服で受診して下さい。
授乳中の方については、母乳パッドや下着などの着替えをご用意下さい。
MRI予定の場合は、金属を含む可能性のある「スプレー型の白髪染め」、「マスカラ」などの 化粧品や「カラーコンタクト」のご使用はご遠慮下さい。

乳房造影MRIによる乳がん検診を受ける方へ

・当院の診察券をお持ちでない初診の方は1時間前にお越し下さい。

・当院の診察券をお持ちの方は、予約時間の30分前までにお越し下さい。

・当救急患者の対応により、予定検査時間が遅れる場合がありますので了承下さい。。

・予約時間に来院できない場合は、必ず病院へご連絡下さい。

・お食事の制限や、普段飲んでいる薬の内服を控える必要は一切ありません。

・鉄サプリメント及び鉄剤を服用されると画像が乱れることがありますので検査直前の服用は避けて下さい。

・下着も含めて脱衣して頂く必要がありますので、脱ぎ着しやすい衣服で受診して下さい。

・授乳中の方については、母乳パッドや下着などの着替えをご用意下さい。

・金属を含む可能性のある「スプレー型の白髪染め」、「アイライナー」、「マスカラ」などの化粧品や「カラーコンタクト」のご使用はご遠慮下さい。

・次に該当するものは、外傷、火傷または機器等の故障を起こす原因となり、検査に影響を及ぼすことがありますので、検査室へ持ち込むことができません。所定の保管場所や付き添いの方に預けて下さい。

○カラーコンタクトレンズ、義眼、補聴器・人工内耳、義歯・着脱式マグネット入れ歯
(歯の詰め物や金冠は問題ありません)等などの装着物

○へアピン、ネックレスなどのアクセサリー

○金属のついた肌着やヒートテック等の金属成分を含む保湿肌着

○磁気カード(クレジットカード、キャッシュカード、診察券等)

○時計、電卓、財布、携帯電話などの電子機器や精密機器

○眼鏡、ライター、指輪、ヘアピン、ネックレス等の金属等

○エレキバン等、湿布薬、カイロなど金属を含むもの

・閉所恐怖症の可能性がある方は、MRI担当者にお申し出下さい。

・「問診票」(MRI検査を受ける方へのご質問)は検査前までに記載して下さい。

・「造影剤の使用」についての説明を十分に確認した上でご理解が得られた場合、「造影剤同意書」にご署名をお願いします。

・検査台はトンネル状で狭く、検査中は大きな音がします。(ヘッドホンを装着しますので多少音は和らぎます。)検査中に持参された音楽CDを聞くことは可能です。

・検査時間は40〜60分と長くなります。音がしている間は撮像していますのでなるべく動かないようにして下さい。

・造影剤の注射を受けた後は、造影剤の排泄を促すため、水分を普段より多めにお飲み下さい。

・造影剤の注射を受けられた方で、検査終了後または帰宅後、体調など何か変わったことがございましたら、当院までご連絡下さい。(熊本中央病院TEL:096-370-3111)

任意型乳がん検診の結果について

検診結果については、2週間以内に、異状なし、良性の変化のみ、要再検査、要精密検査、要治療、判定不能といった判定分類などをご報告いたします。

検査結果により精密検査や治療の必要のある場合には、当院 乳腺・内分泌外科での診療が可能です。また、他の医療機関での治療を希望される場合はご紹介いたします。

それぞれの検診コースにおいて、医師による診察(視触診)や結果のご説明については実施しておりませんが、事情などにより希望される場合は、お問い合わせ下さい。