病気を予防するための食事
病気を予防するための食事のポイント
- 標準体重を維持するエネルギー量を守る(体格や活動量を考える)
ご自分の標準体重やBMIを知り、体格の現状を把握しましょう。
体重が増えるのは、活動量に対して食事の摂取エネルギー量が多い場合です。食事を以下の項目より見直して適正に近付けましょう。また同時に、日常の中で活動量を増やす工夫も大切です。
反対に体重が減るのは、活動量に対して食事の摂取エネルギー量が少ない場合、または炎症や病気により必要なエネルギー量が増している場合です。急な体重減少がある場合は、原因を含めて医療機関に相談しましょう。
「やせ」の場合でも、どんどん減っているのではなく、今の体重が維持できていれば問題ないこともありますが食事内容を確認してみましょう。
- 主食、主菜、副菜をそろえてバランスをよくする
主食(ご飯、パン、めん)
体にも脳にも欠かせない炭水化物を多く含みます。特に、日本型食生活(和食)の基本である主食(ご飯)を減らしすぎると元気が出なかったり、空腹感から主菜や間食が増える場合がありますので注意しましょう。
1日3食の場合、男性200~250g、女性150~200gが1食のご飯の目安です。
主菜(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品のおかず)
たんぱく質を多く含みます。減らしすぎると低栄養になり、多すぎると同時に脂肪も多く含みますので肥満につながります。
1食にどれか1皿、調理前で手の平の半分程度が目安です。
副菜(野菜、海藻、きのこのおかず)
ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含み、低エネルギーで満腹感が得られ、いいことづくしの食べ物です。一日の目安量(350g以上)を満たすには毎食、調理した状態で握りこぶし1個分が目安です。 サラダだけではなく、和え物、酢の物、煮物、炒め物などいろいろな調理方法で季節感も楽しみましょう。
- 脂肪のとり過ぎは、肥満の主な原因です。量と質に注意し、動脈硬化を予防しましょう(動物性脂肪の摂り過ぎに注意)
- 脂肪は大切な栄養素ですが、摂り過ぎには注意が必要です。質が良くても悪くても、エネルギー量が多いので脂肪の摂り過ぎが肥満につながります。また、太った途端に肝臓で悪玉コレステロールを作り出します。
- 脂肪の摂取目安量は、肉や魚や乳製品をはじめとする様々な食品中に含まれる量と調理に使う量を合わせて1日に40~50g程度です(1日のエネルギーの20~25%)。 調理での目安量は、1日10~20g(大さじ1~2杯)となります。
- 動脈硬化を促進する飽和脂肪酸を多く含む肉類、乳製品の使用量が多い人は魚や大豆製品に変える、調理には動物性のバター、植物油の中でもマヨネーズやサラダ油、マーガリンなどを一価不飽和脂肪酸の多い(酸化しにくい)オリーブ油やキャノーラ油に置き換える程度にし、適量を守ることが大切です。
- 加工食品や菓子類にも多くの脂肪が含まれますので注意しましょう。
≪油(脂肪)の多い料理≫
カレー、グラタン、ハンバーグ、トンカツやから揚げなどの揚げ物、ハンバーガー、ピザ、ラーメン、チャーハン、スパゲティなど
≪油(脂肪)の多い食品≫
ウインナー、ベーコン、ハム、バラ肉、チーズ、生クリーム、チョコレート、アイスクリーム、 菓子パン、調理パンなど
- 野菜を毎食摂って、ビタミンや食物繊維を十分補う
- 野菜、果物にはビタミン類、食物繊維が豊富に含まれます。
- ビタミン類は人間の体にとって「潤滑油」のようなものです。体の調子を整えてくれます。また、お肌の調子も良くなります。
- 食物繊維は、満腹感を与え便秘の予防、改善にもつながります。
- 傷ついた(酸化)細胞の修復をしてくれるのがビタミンCです。間食にはお菓子ばかりでなく、果物を取り入れるのも良いです。
- 野菜は毎食、果物は1日1回を目安に積極的に取り入れましょう。
- 塩分を摂り過ぎない
- 一般的に、日本人は塩分を摂り過ぎていると言われていますので、病気の予防のためにも普段から減塩に心がけることが大切です。
- 成人の場合、男性は1日9g以下、女性は1日7.5g以下が塩分の目安です(1食2.5~3g以下)。
- 高血圧、心臓、腎臓の疾患があれば1日6g未満となります(1食2g未満)。
- 塩蔵品(梅干し、漬物、佃煮など)、加工食品(ちくわ、ウインナーなど)、インスタント食品には多くの塩分が含まれますので注意しましょう。
- めん類は汁やつゆを残すと上手に減塩できます。
- 汁物は1日1回にし、なるべく具だくさんにしましょう(水分が減ると調味料が少なくても美味しく食べられます。また、野菜のうま味も出てさらに美味しく仕上がります)。
- 何にでも醤油をかけるのは控えましょう。
- 酢、香辛料、生姜、ごま、しそなどで風味豊かにすると、うす味でも美味しく食べられます。
- 味覚には「慣れ」が大きく関わりますので、外食や総菜を食べて、「味が濃い」と感じるようであれば、ご自宅の味付けがうす味にできている目安になります。
- 飲酒はほどほどに。休肝日を作りましょう
- アルコールの摂り過ぎは、食べ過ぎや肥満につながります。また、肝臓への負担も大きくなります。
- 日本酒、焼酎なら1合、ビールなら350ml×1缶程度が目安です(病気をお持ちの方は必ず飲酒可かどうか医師と相談してください)。
- 量が増えすぎないように、1日に数種類のお酒を飲まないようにしましょう。
- お酒は「エンプティ・カロリー」=「空っぽの栄養素」と言われます。生きていくうえで必要な栄養素を含まないため、食事とは別物と考えます。
- お酒を飲んでも食事(特に主食)は抜かないことが大切です。
- 三度の食事をきちんと摂り、余分な間食を減らす
- 1日3食、なるべく欠食しないようにしましょう。欠食すると、次の食事の過食や間食が増える事につながります。
- 和菓子には砂糖類が、洋菓子には砂糖類と脂肪が多く含まれます。肥満や生活習慣病にもつながりますので、摂り過ぎに注意しましょう。
- 遅い夕食や夜食は、胃や腸に負担をかけます。また、肥満につながりますので、なるべく早い時間に食べられるよう工夫しましょう。どうしても遅くなる場合は、途中で軽いものをとったり、夕食を消化に良いものにしましょう。
- よくかんでゆっくり食べる
食事は、よくかんでゆっくり食べると満腹感が得やすく、また消化も良くなります。
早食いの方は、よくかむ事を意識してみましょう。 - 適度に体を動かし、変化のある食生活を楽しみましょう
- 最近は、どこに出かけるにも自動車で移動するので歩く時間も少なくなっています。できる範囲で運動を取り入れたり、家事など小まめに体を動かす機会をつくりましょう。
- 毎日同じ食品、同じ調理法では様々な栄養素をまんべんなく取り入れるのが難しくなります。旬の食材、新鮮な食材を使って、和風・洋風・中華風などその日によって調理方法も変えてみましょう。
- 健康食品やサプリメントだけに頼らないようにしましょう。
- 何よりも楽しく食べることが大切です。家族だんらんの場として、楽しい雰囲気で食卓を囲めたら良いですね。