診療科のご案内

栄養科

治療食の説明

腎臓病(保存期:透析がはじまる前)の食事

  1. たんぱく質を食べ過ぎていませんか?
  • たんぱく質は、主菜(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品のおかず)に多く含まれます。食べ過ぎると腎臓に負担をかけます。過不足なく適量を献立に取り入れましょう(カリウムリンの値も上昇しやすくなります)。
  • ご飯やパンの中にも少しずつたんぱく質が含まれますので、それらを減らした食品(低たんぱく米、低たんぱくパンなど)を使用する方法もあります。
  1. 適正な体重を保つようなエネルギー量の摂り方が大切です
  • 体重は増え過ぎても極端に減り過ぎても腎臓に負担をかけてしまいますので、体格に見合ったエネルギー量の摂り方が大切です。
  • まずは、適正体重やBMIでご自分の体格の現状を把握しましょう。
  • 体重をはかることを習慣づけましょう(朝の排便後、入浴前など1日1回)。
  • 浮腫(むくみ)があると、体重が増える事があります。急に何kgも増えた場合には、必ず主治医に相談してください。
  • 「肥満」の状態が続いている場合は、たんぱく質などよりエネルギー量の摂り過ぎの可能性があります。管理栄養士に相談して調整しましょう。
  • たんぱく質を減らした状況で適切なエネルギー量を摂るためには、主食(ご飯やパンなどの炭水化物)油料理(揚げ物、炒め物、マヨネーズ料理などの脂肪を含む食べ物)を適量摂ることが大切です。糖尿病がない場合には、デザートなどでエネルギーを摂る方法もあります。
  1. 塩分をとりすぎていませんか?
  • 血圧を管理して腎臓への負担を軽くしたり、浮腫(むくみ)を抑えるためには、塩分の管理がとても重要です。
  • 腎臓病の方の塩分摂取目安量は、1日6g未満となります(1食2g未満)。
  • 塩蔵品(梅干し、漬物、佃煮など)、加工食品(ちくわ、ウインナーなど)、インスタント食品には多くの塩分が含まれますので注意しましょう。
  • めん類は汁やつゆを残すと上手に減塩できます。
  • 汁物は1日1回にし、なるべく具だくさんにしましょう(水分が減ると調味料が少なくても美味しく食べられます。また、野菜のうま味も出てさらに美味しく仕上がります)。
  • 何にでも醤油をかけるのは控えましょう。
  • 酢、香辛料、生姜、ごま、しそなどで風味豊かにすると、うす味でも美味しく食べられます。
  • 味覚には「慣れ」が大きく関わりますので、外食や総菜を食べて、「味が濃い」と感じるようであれば、ご自宅の味付けがうす味にできている目安になります。
  1. 水分の摂り方について
  • 浮腫(むくみ)が見られる場合や腎臓の状態によっては、医師より水分制限の指示が出ることがあります。また、浮腫(むくみ)の原因に塩分のとり過ぎがあることが多いので、減塩も同時に行いましょう。
  • 1日の飲水量に含まれるのは、水(お薬を飲む場合の水も含む)、お茶、ジュースなどの嗜好品、牛乳などです。
  • さらに麺類やお吸い物の汁、果物にも水分が多く含まれるので注意しましょう。
  • のどが渇いていて水分を摂りたいと思う場合には、塩分の摂り過ぎが原因かもしれませんので見直してみましょう。
  • 水分制限の指示がある場合には体重管理が特に重要となってきます。体重の変化がすぐに分かるよう、毎日体重をはかることを習慣付けましょう。
  1. カリウムについて
  • 腎臓の働きが低下してくると尿にカリウムを排泄できなくなり、血液の中にたまってきます。カリウムが高くなると不整脈がおき、心臓に悪い影響を与えます。
  • カリウムは次のようなものに多く含まれています。
  • たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品)のおかず
    ・・・適量を上回っていないか見直しましょう。
  • 野菜、果物、芋類
    ・・・茹でる、煮る、炒める等の調理法で減らすことができます。
  • 青汁、果汁の多いジュース、ドライフルーツなど
    ・・・カリウムも濃縮されていますので、少量でも摂り過ぎになります。
  • 海藻
    ・・・一度にたくさん摂り過ぎないようにしましょう。
  • 一部の健康食品やサプリメント
    ・・・どうしても摂りたいものは医師や管理栄養士に相談しましょう。
  • 急に体重が減った時に血液中のカリウムが高くなる場合があります。
  1. リンについて
  • 腎臓の働きが低下してくると尿にリンを排泄できなくなり、骨がもろくなったり、血管の石灰化による動脈硬化の原因ともなります。
  • リンは次のようなものに多く含まれます。
  • たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品)のおかず
    ・・・適量を上回っていないか見直しましょう。
  • 加工品(インスタント、ハム、ウインナー、練り製品など)
    ・・・なるべく控えましょう 。
  • スナック菓子など
    ・・・なるべく控えましょう。