栄養科
「BMIの計算方法」と「肥満と病気の関連について」
BMIの計算方法
BMIとは身長からみた体重の程度を示す体格指数で、「Body Mass Index」の略です。
BMI(kg/㎡)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) |
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(例)身長160cm、体重60kgの場合のBMI
60(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)=23.4(kg/㎡)
BMIの目安(18歳以上)
年齢 | やせ | 標準 | 肥満 | 高度肥満 |
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18〜49 | 18.5未満 | 18.5〜24.9 | 25以上 | 30以上 |
50〜64 | 20未満 | 20.0〜24.9 | 〃 | 〃 |
65以上 | 21.5未満 | 21.5〜24.9 | 〃 | 〃 |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
肥満と病気の関連について
肥満がなぜ、危険なのでしょうか
BMI(体格指数:Body mass index)25以上が肥満とされます。肥満をおこすと生活習慣病になりやすく、それ以外にも肥満は驚くほど様々な病気をまねく要因となります。
肥満と生活習慣病
肥満との関係でもっとも注目されているのが、メタボリック症候群などから発症する糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。そして肥満を放置していると、病気を悪化させ血管を傷つけたり、もろくしたりして、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中、腎不全などの重大な病気へと進む原因ともなります。
肥満とその他の病気との関連
肥満があると骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などの関節障害を起こしやすくなります。また肥満は、高尿酸血症から痛風をまねいたり、脂肪肝やすい炎を促進したり、あるいは突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群にも大きな影響を及ぼしています。
さらに、大腸がんや前立腺がん、乳がん、子宮がん、肝臓がんなど、多くのがんのリスクを高めることも指摘されています。
また、最近ではCOVID19などの感染に対する免疫力の低下なども注目を集めています。運動や食事で適切な体重の維持に努め、健康や長寿を目指しましょう。
【糖尿病】
肥満になると、血糖値を正常に保つインスリンというホルモンの機能が低下し(インスリン抵抗性)、それを補うために膵臓からたくさんのインスリンが出るようになります(高インスリン血症)。放っておくと、過剰に働く膵臓は疲れてしまい、インスリン分泌が減って血糖が高い状態が続いてしまいます。これが肥満で起こりやすい糖尿病です。糖尿病の管理を怠ると人工透析や失明、動脈硬化性疾患(脳梗塞、心筋梗塞など)の重大な合併症を招く恐れがあります。
この疾患に対応する診療科
【高血圧】
肥満になると、2人に1人が高血圧症であるといわれ、肥満でない場合の約2〜3倍多くなっています。
高血圧症は、自覚症状がないため適切に治療されていない場合もあります。高血圧が長く続くことで、心臓や腎臓の病気、動脈硬化などの脳血管疾患へのリスクが高まります。
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【脂質異常】
脂質異常とは、コレステロール・中性脂肪などの血液中の脂肪の増加により、血管が固くなったり、血管内が狭くなるなどの動脈硬化になる確率が高くなります。
動脈硬化になる確率が上がるということは、動脈硬化から引き起こされる脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血などのこと)や、心臓の病気である狭心症や心筋梗塞などの重篤な病気に繋がります。
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【心臓病】死の四重奏
高血圧、高脂血症、耐糖能異常(糖尿病や境界型糖尿病といわれる状態)、肥満、高インスリン血症などのうち、これらの危険因子が重なり合うことで狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症が増えます。これらの要因が重なる状態を「死の四重奏」と呼びます。
肥満の人は、肥満ではない人に比べて、酸素や栄養分を余計に全身に届けなくてはならないので、その分心臓への負担が大きくなります。
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【変形性膝関節症】
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることにより慢性炎症や変形が生じ、膝に痛みが現れる病気です。
膝の痛みは、加齢や体重によって徐々に進行します。膝関節には体重がかかるので、過度な体重増加は軟骨損傷を進行させる大きな危険因子といえます。病状が進行すると歩行が困難になることもあり、そのような場合には手術が検討されます。
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【腎臓】
肥満による糖尿病や高血圧症の増加と共に腎障害の方が増加傾向にあります。新しく人工透析を導入する方の約半分は糖尿病をお持ちの方です。糖尿病の合併症を早期に発見し、適切な治療を受けることで病気の悪化を防ぐことが重要です。
また、糖尿病だけでなく高血圧症の方も食事、運動療法と適切な薬物療法で病気の悪化を防ぎましょう。
この疾患に対応する診療科
標準体重について
体重は増え過ぎると膝や腰への負担だけでなく、生活習慣病などのさまざまな病気の一因となります。一方、減り過ぎると体力の低下につながります。ご自分の身長に見合った標準体重を知りましょう。