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泌尿器科

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MRIガイド下前立腺針生検

MRIガイド下前立腺針生検とは?

現状では、前立腺がんの診断はMRIが最も診断能が高いと言われています。一方、前立腺がんが疑われた患者さんは、超音波を見ながら組織を採る検査(生検)を行います。この場合、超音波検査ではわかりづらい前立腺がん疑い部位は前立腺がんであっても生検で当たらない可能性があります。そのような患者さんに対して、最も前立腺がんが明瞭に見えるMRI装置そのものを使って生検を行う方法です。

図1、2のようにMRIガイド下で直接狙って生検を行います。図3は実際に針が刺さっている様子で、前立腺がんの診断ができました。図4は前立腺手術を行って前立腺がんが証明されました。

  • 図1

  • 図2

  • 図3

  • 図4

この手技はMRIそのもので直接前立腺がんが疑われる部位を狙って生検を行うので、この手技以上の精度の生検はないほどです。このシステムを導入後、前立腺がんが疑われて繰り返し超音波下生検陰性の患者さんの多くの前立腺がんを検出することに成功しており、前立腺がん早期治療開始に役立てています。

対象となる方

採血結果(PSA値)やMRI検査などで強く前立腺がんが疑われている患者さんでかつ、一般的な前立腺生検でがんを検出できない患者さんが対象です。

患者さんのメリット

PSA高値が続くもしくは徐々に高くなる状況でかつMRIでも前立腺がんが疑われる患者さんは精神衛生上も良くないですね。この場合には、本来は

  1. 前立腺がんが本当は存在する
  2. 本当は前立腺がんではない

この2通りが考えられます。

いずれの結果であっても診断がはっきりするというメリットが最大のものです。
MRIで前立腺がんが疑われている部分を直接MRIで観察しながら生検しますので、最も正確性が高いです。

第2に、前立腺がんと言っても複数部位に存在することがありますので、MRIガイド下であれば最も悪性度が高い部分を狙うことができる点もメリットです。前立腺がんの治療方針決定に正しい方向性を与えることができます。

第3には、生検時に針を刺す本数が少ない点もあります。通常であれば一般的には10-12本程度ですが、MRIガイド下生検では2-3本であることが多い(多病変の場合はこの限りでない)点もメリットです。

患者さんのリスク、副作用について

MRIガイド下前立腺針生検のリスクと副作用は、超音波ガイド下前立腺生検と同様の出血や感染ですが、穿刺本数が少ない為これらのリスク、副作用も少ない点が特徴です。

Q&A

MRIガイド下前立腺針生検を受けるにはどうしたら良いですか?

可能であれば、かかりつけの泌尿器科の先生から当院の泌尿器科宛に紹介をして頂ければ、スムーズです。

MRIガイド下前立腺針生検が受けられない症例はありますか?

基本的にMRIを受けることができる患者さんはOKです。ただ、1時間程度うつぶせを保てることが前提です。

治療費はどれくらいかかりますか?

保険診療外検査のため、自由診療扱いで1泊入院を含めて11万円(税込)の費用がかかります。
自由診療ですので、今後他の病院で始めた場合にかかる費用が異なる可能性があります。

MRI-超音波融合画像ガイド下前立腺生検

MRI-超音波融合画像ガイド下前立腺生検とは?

MRIで検出された前立腺がんをより正確に検査(生検)する方法です。
経直腸的エコーガイド下前立腺針生検する際のエコー画面に、事前に撮影された前立腺MRI画面を投影して、MRIで検出された部位を指し示して生検します。

対象となる方

PSAが高値で前立腺MRIにて前立腺がんが疑われているすべての方が対象です。

患者さんのメリット

生検の的中率が上がりますので、無駄な検査を繰り返さなくて済みます。

MRIガイド下前立腺生検との違い

MRIガイド下前立腺針生検は自由診療(保険適用外)ですが、MRI-超音波融合画像ガイド下前立腺生検は保険適用になりますので、ご自身の支払いが少なくて済みます。
検査時間は30分程度であり、MRIガイド下前立腺針生検(60分-90分)と比べて短いです。
MRIガイド下前立腺針生検と比べるとやや正確性に劣っています。

患者さんのリスク、副作用について

通常のエコーガイド下経直腸的前立腺針生検と同様で出血や感染の合併症が生じる可能性があります。