透析アクセス科
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診療科の実績
シャントPTA 当院の特徴

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外来担当医師表
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診療科のご紹介

※午後の診察をご希望の場合は、担当医に直接ご相談下さい。

  • 外来診察は事前連絡を基本としております。
  • 診察をご希望の場合は、可能な限り事前に担当医までお電話でご連絡をお願いします。
    (手術担当:萩尾・山本、PTA/エコー評価担当:山内・山本)
  • 特にシャント閉塞の場合、治療を急いだり当日の透析が必要な場合もありますので、お早めにご連絡下さい。
  • 初診時、当院以外でのシャントエコーやPTAの所見用紙などがある場合は持参をお願いします。

※初診/再診含め、バスキュラーアクセス関係の患者さんの受診時には、直近3回分の透析記録コピーの持参をお願いします。

※急患は可能な限りいつでも対応しますので直接ご相談下さい。

透析アクセス科は、腎臓内科と密に連携して、院内だけでなく県内の透析施設の先生方からご紹介頂いた透析アクセス全般に対する治療を行っています。当院の特徴として、シャント作製やPTA治療は入院治療を原則としており、この間に脱返血を含めた透析状況を確認し、問題ないことを確認した後に退院としています。連携透析施設に安心してアクセスを使用して頂けるように心掛けています。また、臨床研修病院として、若手医師へ透析アクセスの知識を教育・指導しています。 具体的な診療内容をご紹介します。

診療内容

血液透析に対するバスキュラーアクセス作製

ガイドラインに従い、自己血管内シャント術(AVF)を第一選択としています。一人一人の患者さんの長期にわたる透析生活を熟慮し、作製計画を立てています。その他人工血管内シャント術(AVG)、動脈表在化、長期留置型カテーテル挿入を主に行っています。

シャントトラブルに対する治療

シャント狭窄や閉塞に対するシャントPTAや外科治療(血栓除去や再建手術)、致命的となりかねないシャント感染、シャント瘤、スティール症候群、静脈高血圧など様々なシャントトラブルの治療を行います。シャントPTAでは血管造影剤使用低減を試み、非侵襲的なエコーを駆使し血管造影を行わない方法をほとんどの症例で行っています。

腹膜透析(PD)アクセスに対する治療

腹膜透析治療に関するカテーテル留置術や血液透析移行時のカテーテル抜去術、カテーテルや出口部感染に対する治療(抜去術、unroofing、出口部変更術)を行います。

今後さらに多くの患者さんに、迅速かつ丁寧に対応できるように一生懸命がんばってまいります。お悩みのことがありましたら何時でも気軽にご相談ください。

スタッフ紹介

スタッフ写真
部長
萩尾 康司
(はぎお こうじ)
平成8年卒
専門分野
外科一般・心臓血管外科・
心臓リハビリテーション(指導士)
指導医・専門医・認定医
日本外科学会専門医
医長
山内 英治
(やまうち えいじ)
平成11年卒
専門分野
腎臓疾患・透析療法
指導医・専門医・認定医
日本内科学会指導医・総合内科専門医・認定医
日本腎臓学会指導医・専門医
日本透析医学会指導医・専門医
日本透析医学会VA血管内治療認定医
日本透析アクセス医学会VA血管内治療認定医
透析バスキュラーアクセスインターベンション治療医学会VAIVT認定専門医・血管内治療医
透析バスキュラーアクセスインターベンション治療医学会認定教育研修施設教育責任者
IN.PACT™ AV DCB(薬剤コーティングバルーン)実施基準教育プログラム修了
ゴア® バイアバーン®ステントグラフトワークショップ修了
医員
山本 修太郎
(やまもと しゅうたろう)
平成24年卒
専門分野
腎臓疾患一般・透析療法
指導医・専門医・認定医
日本腎臓学会専門医
日本透析医学会専門医
日本内科学会認定医
日本透析医学会VA血管内治療認定医
ゴア® バイアバーン®ステントグラフトワークショップ修了
IN.PACT™ AV DCB(薬剤コーティングバルーン)実施基準教育プログラム修了

診療科の実績

2023年度 透析アクセス科手術件数(152件)
手術分類 例 数
AVF 89
AVG 4
動脈表在化 3
長期留置型カテーテル 38
シャント感染治療 4
シャント瘤治療 1
PDアクセス関連 4
静脈高血圧に対する血流抑制術 3
その他 6
手術総数 152
シャントPTA 332

シャントPTA 当院の特徴

これまで血液透析に必要不可欠なバスキュラーアクセス(VA)不全に対する治療法として外科手術が中心でした。1990年代に入り、VA狭窄の治療法としてバルーンカテーテルによるPercutaneous transluminal angioplasty(PTA)が普及し、現在ではVascular access intervention therapy(VAIVT)と総称されています。VAIVTは外科手術と比較して低侵襲かつ同一病変の反復治療が可能で、作製時のVA機能と形態を維持できることが特徴で、VA狭窄・閉塞病変治療の第一選択と位置づけられ、当院含め多くの施設で行われています。当院での治療件数も年々増加傾向です。 (図1

シャントPTA治療件数の変遷

図1

図1

自己血管(Arteriovenous Fistula;AVF)や人工血管(Arteriovenous Graft;AVG)内シャント狭窄に対する待機的なシャントPTAの初期成功率は高く (図2)、当院ではその後も厳重なフォローアップを行い、必要に応じて再PTAを行う事で、シャント寿命の延長が得られています。その他の当院での試みを2つご紹介します。

図2:シャントPTAの治療成績成功率(2015年1月~2016年12月)

AVF待機的PTA 100% (274/274)
AVG待機的PTA 100% (108/108)
AVF閉塞に対する血栓除去術 90.9% (10/11)
AVG閉塞に対する血栓除去術 85.7% (6/7)
合計 99.5% (398/400)

1.造影剤使用低減の試み(図3:血管造影あり 図4:血管造影なし)

X線透視と血管エコーを上手く組み合わせることで、血管造影を行わずにシャントPTAを完遂することができます。ガイドワイヤー操作やバルーン位置、狭窄部位確認など最大限エコーを活用しています。エコーの利点として簡便・情報の多さ・低侵襲があります。また造影を行わない利点として、造影剤アレルギー患者へ施行可能、造影剤アレルギー対策(大量ステロイドなど)が不要なためその合併症を回避できる、新たな造影剤アレルギーが防止でき、今後のCTやPCIなど造影剤が必要な時に有利であることが挙げられます。図の如く、2018年以降は約98%で血管造影は行っていません。 (図5

図3

図3

図4

図4

図5

図5

2.ほぼ全例が入院治療

当院ではシャントPTA翌日まで合併症(アレルギーや急性閉塞など)の出現の有無を観察し、また翌日当院で透析を施行して、脱返血を含めた透析状況を確認し、問題の無いことを確認した後に退院としています。

血液透析を円滑に継続していくうえでバスキュラーアクセスは非常に重要で、「透析患者の命綱、生命線」や「アキレス腱」と言われます。VAIVTの進歩は近年めざましいものがありますが、問題点として再狭窄率の高さがあり、これに対する治療戦略の確立、デバイスの導入や開発が今後の課題といえます。

透析アクセスにつきまして何かお困りのことがありましたら、何時でも気軽にご連絡下さい。
TEL 096-370-3111(代)
萩尾、山内、山本まで
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