泌尿器科
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診療科の実績
MRIガイド下前立腺針生検
MRI-超音波融合画像ガイド
下前立腺生検
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外来担当医師表
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診療科のご紹介

当院は急性期病院として泌尿器疾患全般を取り扱っていますが、特に前立腺がんおよび前立腺肥大症の手術を得意としています。

前立腺がんについては腫瘍マーカーであるPSAが高値の症例にはMRI検査を施行し、前立腺がんが疑われる場合には経直腸的前立腺針生検を行っています。2023年度には268例に検査を行い222名(82.8%)の患者さんに前立腺がんが検出されました。早期発見に伴い手術による根治例も多くなっています。

2022年4月よりMR/USフュージョン前立腺生検(保険適応)を導入しました。エコー画像にMRI画像を投影させる事で従来のエコーガイド下前立腺生検よりも精度の高い検査が可能となっており、2023年度は75例の方に行っております。

より精度が高いMRIガイド下前立腺針生検については現在も保険診療ではありませんが、診断の正確性が高いため県内外から希望される方がいらっしゃいます。2023年度には7例の患者さんに検査を行い7例(100%)の患者さんにがんが検出されました。生検陰性(生検でがんが検出されなかった)症例の多くは、がんでないことを証明するための生検でした。

前立腺がんの手術治療として、2024年4月よりロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を開始いたしました。ダビンチXiを使用した低侵襲の前立腺がん手術に取り組んでおり、ロボット手術を希望される患者様へも対応できる体制となりました。

前立腺がんに対する根治的前立腺全摘除術はこれまで3,000症例を超える実績(2023年度は112症例)があります。手術時間の中央値は約100分と短く、出血量は500ml、尿失禁がない状態の割合は約95%、5年生存率99%と合併症も少なくかつ予後良好な結果でした。進行性前立腺がんも多数の症例経験を有しており、抗がん剤はじめ集学的治療を施行しています。

前立腺肥大症で薬物療法が無効な患者さんには、経尿道的前立腺切除術を施行しています。2023年度の手術数は34件で安定した治療成績を得ています。

腎がんや上部尿路上皮がんに対しては、患者さんのQOLを考慮し腹腔鏡下手術を施行しており、2023年度には31件の手術を行っています。

膀胱腫瘍に対しては早期がんでは経尿道的手術(2023年度は197例)で治療、浸潤がんでは膀胱温存可能な症例に対して抗がん剤の全身投与や放射線療法を併用しています。膀胱温存が不可能な場合は膀胱全摘出および尿路変更術(2023年度は8例)行っています。

主な対象疾患

前立腺がん

腫瘍マーカーであるPSA検査の普及で発見が増えているがんです。高齢者に多く発症し、また遺伝的要素も強いため家族歴のある方は早めの血液検査をお勧めします。組織検査にて確定診断が得られますが、当院では2022年4月よりMR画像とエコー画像を融合したMR/USフュージョン生検を実施しており、生検したい部位をより正確に生検可能となっております。根治療法として開腹手術だけではなく、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術も行っており、患者さんのニーズに合わせた治療を施行させていただいておりますので、お気軽に当科にご相談ください。

前立腺肥大症

60歳以上の男性に多くみられる良性疾患です。前立腺の腫大により様々な症状を引き起こします。初期症状としては夜間頻尿、尿意切迫感、残尿感、排尿困難などがありますが、進行すると尿閉や水腎症(腎臓の腫れ)による腎不全に至る場合があります。まずは薬物療法を行い、効果が不十分であれば手術療法(経尿道的前立腺切除術)を施行する場合があります。

腎がん

50〜60歳代が好発年齢で男性に多い、腎尿細管上皮細胞から発生する腎実質の上皮性悪性腫瘍です。無症状であることも多く、健診の超音波検査やCT検査で発見される症例が増えています。治療方法は手術療法を基本とし、分子標的治療薬などの薬物療法も必要な場合には施行されます。基本的に腹腔鏡下手術を施行しており低侵襲治療に努めています。

膀胱がん

痛みを伴わない血尿が特徴の膀胱粘膜(尿路上皮)細胞より発生する悪性腫瘍です。腫瘍が存在していても、一度出現した血尿がしばらく出ないようなこともあり発見が遅れる場合もあります。血尿を自覚された場合はまず泌尿器科を受診されてください。また検診での尿潜血陽性についても、さまざまな病気のサインである可能性もありますので泌尿器科を受診されることをお勧めします。

過活動膀胱

尿意切迫感(排尿したくて我慢がきかない状態)を必須とした症状症候群で、通常は頻尿と夜間頻尿を伴うものです。最近は様々な薬剤が開発され、内服治療により改善する患者さんも多くなっています。男性にも女性にも発症する可能性があり、40歳以上の方の8人に1人が罹患する疾患ですので遠慮されずに当科を受診されてください。

小児泌尿器疾患

当科では腎疾患を専門とする当院小児科医と協力し、小児泌尿器疾患も対象としております。お子様の腎疾患、尿路疾患でお困りの方は、当院小児科、泌尿器科にご相談ください。

スタッフ紹介

スタッフ写真
部長
原 一正
(はら かずまさ)
平成8年卒
専門分野
泌尿器科全般・内視鏡手術・腹腔鏡手術
指導医・専門医・認定医
日本泌尿器科学会指導医・専門医・泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会認定医
日本内視鏡外科学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
Certificate of da Vinci Technology Training as a Console Surgeon
顧問
濱田 泰之
(はまだ やすゆき)
昭和52年卒
専門分野
泌尿器科全般・前立腺癌・前立腺肥大症
指導医・専門医・認定医
日本泌尿器科学会指導医・専門医
医長
濱田 真輔
(はまだ しんすけ)
平成17年卒
専門分野
泌尿器一般
指導医・専門医・認定医
日本泌尿器科学会指導医・専門医
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本がん治療認定医機構認定医
Certificate of da Vinci Technology Training as a Console Surgeon
医員
今川 大輔
(いまがわ だいすけ)
平成24年卒
専門分野
泌尿器科一般
指導医・専門医・認定医
日本泌尿器科学会指導医
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会認定医
医員
浮池 昌二朗
(ふけ しょうじろう)
平成27年卒
専門分野
泌尿器科一般
指導医・専門医・認定医
日本泌尿器科学会専門医
医員
田中 聡
(たなか さとし)
令和3年卒
専門分野
泌尿器科一般
所属学会
日本泌尿器科学会
西日本泌尿器科学会
日本泌尿器腫瘍学会

診療科の実績

2023年度 泌尿器科手術件数(530件)
泌尿器科手術件数
前立腺生検 前立腺癌検出数
268 222
MRIガイド下前立腺生検数 前立腺癌検出症例
7 7

※生検陰性の多くは生検陰性証明生検です。

MRIガイド下前立腺針生検

MRIガイド下前立腺針生検とは?

現状では、前立腺がんの診断はMRIが最も診断能が高いと言われています。一方、前立腺がんが疑われた患者さんは、超音波を見ながら組織を採る検査(生検)を行います。この場合、超音波検査ではわかりづらい前立腺がん疑い部位は前立腺がんであっても生検で当たらない可能性があります。そのような患者さんに対して、最も前立腺がんが明瞭に見えるMRI装置そのものを使って生検を行う方法です。

図1、2のようにMRIガイド下で直接狙って生検を行います。図3は実際に針が刺さっている様子で、前立腺がんの診断ができました。図4は前立腺手術を行って前立腺がんが証明されました。

  • 図1

  • 図2

  • 図3

  • 図4

この手技はMRIそのもので直接前立腺がんが疑われる部位を狙って生検を行うので、この手技以上の精度の生検はないほどです。このシステムを導入後、前立腺がんが疑われて繰り返し超音波下生検陰性の患者さんの多くの前立腺がんを検出することに成功しており、前立腺がん早期治療開始に役立てています。

対象となる方

採血結果(PSA値)やMRI検査などで強く前立腺がんが疑われている患者さんでかつ、一般的な前立腺生検でがんを検出できない患者さんが対象です。

患者さんのメリット

PSA高値が続くもしくは徐々に高くなる状況でかつMRIでも前立腺がんが疑われる患者さんは精神衛生上も良くないですね。この場合には、本来は

1.前立腺がんが本当は存在する
2.本当は前立腺がんではない

この2通りが考えられます。

いずれの結果であっても診断がはっきりするというメリットが最大のものです。 MRIで前立腺がんが疑われている部分を直接MRIで観察しながら生検しますので、最も正確性が高いです。

第2に、前立腺がんと言っても複数部位に存在することがありますので、MRIガイド下であれば最も悪性度が高い部分を狙うことができる点もメリットです。前立腺がんの治療方針決定に正しい方向性を与えることができます。

第3には、生検時に針を刺す本数が少ない点もあります。通常であれば一般的には10-12本程度ですが、MRIガイド下生検では2-3本であることが多い(多病変の場合はこの限りでない)点もメリットです。

患者さんのリスク、副作用について

MRIガイド下前立腺針生検のリスクと副作用は、超音波ガイド下前立腺生検と同様の出血や感染ですが、穿刺本数が少ない為これらのリスク、副作用も少ない点が特徴です。

Q&A

Q1.MRIガイド下前立腺針生検を受けるにはどうしたら良いですか?
可能であれば、かかりつけの泌尿器科の先生から当院の泌尿器科宛に紹介をして頂ければ、スムーズです。
Q2.MRIガイド下前立腺針生検が受けられない症例はありますか?
基本的にMRIを受けることができる患者さんはOKです。ただ、1時間程度うつぶせを保てることが前提です。
Q3.治療費はどれくらいかかりますか?
保険診療外検査のため、自由診療扱いで1泊入院を含めて11万円(税込)の費用がかかります。 自由診療ですので、今後他の病院で始めた場合にかかる費用が異なる可能性があります。

MRI-超音波融合画像ガイド下前立腺生検

MRI-超音波融合画像ガイド下前立腺生検とは?

MRIで検出された前立腺がんをより正確に検査(生検)する方法です。
経直腸的エコーガイド下前立腺針生検する際のエコー画面に、事前に撮影された前立腺MRI画面を投影して、MRIで検出された部位を指し示して生検します。

対象となる方

PSAが高値で前立腺MRIにて前立腺がんが疑われているすべての方が対象です。

患者さんのメリット

生検の的中率が上がりますので、無駄な検査を繰り返さなくて済みます。

MRIガイド下前立腺生検との違い

MRIガイド下前立腺針生検は自由診療(保険適用外)ですが、MRI-超音波融合画像ガイド下前立腺生検は保険適用になりますので、ご自身の支払いが少なくて済みます。
検査時間は30分程度であり、MRIガイド下前立腺針生検(60分-90分)と比べて短いです。 MRIガイド下前立腺針生検と比べるとやや正確性に劣っています。

患者さんのリスク、副作用について

通常のエコーガイド下経直腸的前立腺針生検と同様で出血や感染の合併症が生じる可能性があります。

ホルモン感受性転移性前立腺癌の治療実態に関する前向き観察研究について

当院では、多施設共同研究『ホルモン感受性転移性前立腺癌の治療実態に関する前向き観察研究』に、共同研究機関として参加しております。

詳細は下記ページをご覧下さい。

ホルモン感受性転移性前立腺癌の治療実態に関する前向き観察研究
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