CT検査について
- くまちゅう画像ネット(詳しくは地域医療画像連携ネットワークシステム(くまちゅう画像ネット)をご覧下さい)
- 予約電話
当院では電話にて検査予約を受け付けています。お申し込みいただく際に検査日時を決定いたします。その際、以下の項目についてお尋ねします。
- 医療機関名 紹介される先生のお名前
- 患者氏名 生年月日 当院受診歴
- 検査部位 検査目的
- 検査希望日
- 造影剤の使用について(単純のみ・造影必須・造影剤の使用は当院に一任)
- 当日他科受診の有無
- 検査結果の報告について(患者当日渡し・後日郵送・くまちゅう画像ネット)
- 検査後診察希望の有無
- 上記基本項目
- β遮断薬(コアベータ)・ 亜硝酸剤(ニトロペン)の使用の可否
- *コアベータ(小野薬品工業)は、冠動脈CTにおける描出能を改善させる専用のβ遮断薬です。
- *心臓(冠動脈)CT検査は造影剤を使用する検査です。
造影剤の注射を受けられた方で、検査終了後または帰宅後、体調など何か変わったことがございましたら、受診されている診療科までご連絡ください。
(熊本中央病院 TEL (096)370-3111へご連絡ください)
造影剤の注射を受けられた方は、水分を普段より多めにお飲みください。(造影剤排泄のため)
CT検査の質問等ございましたら、放射線科CT室までご連絡ください。
熊本中央病院 放射線科CT室 TEL 096-370-3111内線(2610)
MRI検査について
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)検査は、強力な磁力を駆使し、磁気の力とラジオ波という電波を利用して身体の断面や血管情報などを撮像する検査です。
- くまちゅう画像ネット(詳しくは地域医療画像連携ネットワークシステム(くまちゅう画像ネット)をご覧下さい)
- 予約電話
当院では電話にて検査予約を受け付けています。お申し込みいただく際に検査日時を決定いたします。その際、以下の項目についてお尋ねします。
- 医療機関名 紹介される先生のお名前
- 患者氏名 生年月日 当院受診歴
- 検査部位 検査目的
- 検査希望日
- 造影剤の使用について(単純のみ・造影必須・造影剤の使用は当院に一任)
- 当日他科受診の有無
- 検査結果の報告について(患者当日渡し・後日郵送・くまちゅう画像ネット)
- 検査後診察希望の有無
- 上記基本項目
- β遮断薬(インデラル)
- 亜硝酸剤(ニトロペン)の使用の可否
- ※心臓(心筋)MRI検査は造影剤を使用する検査です。
- ※心臓(冠動脈)MRI検査は造影剤を使用せずに検査可能です。
検査項目 | 前処置 | 備考 |
---|---|---|
全検査共通 | 強い磁場を使用して検査を行います。体内に金属やペースメーカーがある方は検査施行が困難な場合があります。 | 詳しくは主治医もしくはMRI担当者までお申し出下さい。 |
膵・胆嚢 MRCP検査 |
消化管付近の検査です。検査前は絶飲食でお願いします。 | MRIを用いた膵胆管の検査です。検査前の飲食を控えてください。 |
膀胱検査 | 検査前排尿はしないで下さい。蓄尿状態での検査が望ましいです。 | 膀胱の検査です。膀胱が収縮している場合は、検査が難しい場合がありますので蓄尿状態で検査をします。 |
上腹部検査 | なるべく軽食が望ましいです。 | 飲食直後は、腸管の動きが活発になり、画像がブレる恐れがあります。 |
前立腺検査 | 検査前に排尿・排便・排ガスを行っていただきます。 | 画像に影響を及ぼす可能性がありますので排泄後に検査を行います。 |
下記の項目に該当される方は、MRI検査ができない場合、もしくは制限される場合があります。必ず主治医またはMRI担当スタッフに申し出て下さい。
- 心臓ペースメーカー、ICD(植え込み型除細動器)を使用している方
- 脳動脈瘤用クリップ等の金属磁性体を体内に埋め込む手術を受けた方
- 人工関節、ボルト固定等の手術を受けた方
- 補聴器、人工内耳を装着されている方
- 義歯、着脱式マグネット入れ歯等を装着されている方
- 義眼、カラーコンタクトレンズを利用されている方
- 現在、妊娠されている方、もしくはその可能性がある方
- 閉所恐怖症の方、またはその可能性がある方
- 刺青(いれずみ)をしている方
- 目に鉄粉(金属の粉)が入っている、若しくは入る恐れのあるお仕事をされていた方
- 喘息の方
- 水頭症の手術を施行し体内に調節弁を挿入している方
- リブレを装着されている方
- 尿バルーンを入れている方
※次に該当するものは検査室へ持ち込むことができませんので所定の保管場所や付き添いの方に預けて下さい。
- 磁気カード(クレジットカード、キャッシュカード、診察券等)
- 時計、電卓、補聴器、財布、携帯電話などの電子機器や精密機器
- 眼鏡、ライター、指輪、ヘアピン、ネックレス等の金属等
- エレキバン等、湿布薬、カイロ
上記の物を持ち込まれますと外傷、火傷または機器等の故障を起こす原因となります。また、検査に影響を及ぼすことがありますのでご注意下さい。
腹部MRI検査、骨盤MRI検査を受診される方は、鉄サプリメント及び鉄剤を服用されると画像が乱れることがございますので検査前は服用されないようお願い申し上げます。
「問診票」(MR検査を受ける方へのご質問)は検査前までに記載して下さい。
なお、未成年者の方の場合は保護者のご署名をお願い致します。
検査の都合上、主治医または放射線科医師により「造影剤の使用」について説明を十分に行った上でご理解が得られた場合、「造影剤同意書」にご署名をお願い致します。
- 単純検査の方は30分前までに来院をお願いします。造影検査の方は60分前までに来院をお願いします。また、当院の診察券をお持ちでない初診の方は60分前にお越しください。(カルテ作成等の手続きの為)
- 予約時間に来院できない場合は、必ず当病院の診察科へご連絡下さい。
- 救急患者の対応により、予定検査時間が遅れる場合がありますので了承下さい。
検査を行うために検査着に着替えていただきます。その際に、検査の都合上、保湿肌着であるヒートテック等は脱いで頂くことがございます。腕時計・磁気カード(キャッシュカード、診察券等)・補聴器等はその機能に障害を受けますので、検査室に持ち込まないでください。
金属のついた肌着・入れ歯・へアピン・アクセサリー・使い捨てカイロ・湿布等も検査前に外して頂きます。化粧品(アイラインやマスカラ等)も種類によって火傷の原因になる可能性がございますので落として頂くことがあります。歯の詰め物や金冠はそのままで結構です。
閉所恐怖症の方、またはその可能性がある方は、MRI担当者にご連絡ください。
検査台はトンネル状で狭く、検査中は大きな音がします。(ヘッドホンを装着しますので多少音は和らぎます。)検査中に持参された音楽CDを聞くことは可能です。
検査時間は20〜30分(心臓検査は40〜60分)と長くなります。音がしている間は撮像していますのでなるべく動かないようにして下さい。
造影剤の注射を受けられた方で、検査終了後または帰宅後、体調など何か変わったことがございましたら、受診されている診療科までご連絡ください。
(熊本中央病院 TEL (096)370-3111へご連絡ください)
造影剤の注射を受けられた方は、水分を普段より多めにお飲みください。(造影剤排泄のため)
MRI検査の質問等ございましたら、放射線科MRI室までご連絡ください。
熊本中央病院 放射線科MRI室 TEL 096-370-3111 内線(2613)
RI検査(核医学検査)について
投与したRI検査薬が目的の臓器に取り込まれ、そこから出る微量の放射線を検査カメラでとらえ画像にします。
当院では電話にて検査予約を受け付けています。お申し込みいただく際に検査日時を決定いたします。その際、以下の項目についてお尋ねします。
- 医療機関名 紹介される先生のお名前
- 患者氏名 生年月日 当院受診歴
- 検査部位 検査目的
- 検査希望日
- 当日他科受診の有無
- 検査結果の報告について(患者当日渡し・後日郵送・くまちゅう画像ネット)
- 検査後診察希望の有無
- ペースメーカーの有無
〈RI検査 前処置一覧〉
検査項目 | 検査時間 | 前処置 | 備考 |
---|---|---|---|
骨シンチ | 45分 | 使用する薬剤は、血中より腎臓を経て尿として排泄されます。骨盤部の良好な画像を得るために検査直前に排尿して頂きます。 | 薬剤注射後3〜4時間後より検査を行います。 |
ガリウムシンチ | 45分 | 使用する薬剤は、肝胆系から胆汁として便中に排泄されます。腹部の良好な画像を得るために検査前日に下剤を服用して頂きます。 | 薬剤注射日より3日後に検査を行います。 |
腎レノグラム (Tc-MAG3) |
45分 | 検査30分前に水分負荷として、排尿後に水を300cc飲水して頂きます。 | 検査中に負荷として利尿剤を使用する場合があります。予約時に利尿剤の有無を依頼してください。 |
甲状腺シンチ (形態:TcO4) |
30分 | なし | 薬剤投与後30分後に撮影を行います。 |
RI検査の質問等ございましたら、放射線科RI室までご連絡ください。
(熊本中央病院 放射線科RI室 TEL 096-370-3111 内線(1504)
進化する熊本中央病院CT/MRI/RIの特徴もご覧下さい。
血管造影について
血管造影検査を希望される方は各診療科を受診して下さい。
当院の血管造影検査室では主に心臓疾患のカテーテル検査・治療などを行っています。
- 左左心カテーテル(冠攣縮誘発試験・冠動脈血流予備能測定)検査
- 右心カテーテル検査
- 経皮的冠動脈形成術(PCI) 〈バルーン拡張、ステント留置、血栓吸引療法、血栓溶解療法、ローターブレーター、血管内超音波(IVUS)〉
- 高周波カテーテルアブレーション(RFCA)
- 心臓電気生理学的検査(EPS)
- ペースメーカ・ CRT-D・CRT-P・ICD各種デバイスの移植術・電池交換術・抜去術
- 体外式ペースメーカ挿入・除去
- 心嚢ドレナージ
- 下肢動脈・腎動脈・鎖骨下動脈の血管内治療(EVT)
- 経皮的シャント拡張・血栓除去術
- IVCフィルター留置術・除去術
1.全ての CT 検査でスペクトラル画像を取得可能
熊本中央病院では2021年末より全てのCT検査においてスペクトラル画像を取得できるようになりました。 従来のCTでは1回の撮影で1種類の画像しか取得できませんでしたが、スペクトラルCTでは撮影に用いるX線のエネルギーを分離することで多くの有益な情報を追加取得できるメリットがあります。もちろん追加撮影するわけではないのでX線被ばくが増えるわけではありません。
スペクトラル撮影の可否について世間一般のCTにおいて現行では3種類に分類でき
- ①スペクトラル撮影できない(多くのCT装置)
- ②スペクトラル撮影できるが前もって設定が必要(スペクトラル撮影していない場合は不可)
- ③全ての検査が後からもスペクトラル解析が可能(現在少数のCT装置のみ実現)
以上のパターンがあり、当院の2台のCTはいずれも③になります。このスペクトラルCTにより多くの臨床的に有用な情報を得ることができますので、以下にその有用性を列挙したいと思います。
a. 造影CTとの相性が抜群
CT診断の精度を上げるために造影剤を使用する場面は多いです。この造影剤使用は体重当たりの使用量が定められており、一部の疾患では規定の造影剤量では造影コントラストが不足する場合もあります。このような場合にはスペクトラルCTでは最大3倍の造影効果を得る(40keV画像作成)ことができますので、何と造影剤3本を使用した場合と同等の造影コントラストを得る事ができます(図1)。 通常ではあり得ない仮想造影剤大量CT画像で診断することが可能となり診断精度に大きく寄与します(図2)。 様々な血管性病変や悪性腫瘍の診断に有用ですが、特に従来CTでは診断が難しい場合も多かった早期膵癌の検出能も向上し日常臨床に活用しています。最大3倍の造影コントラストという利点は、逆に言うと規定量の1/3の造影剤量で従来の造影CTと同等の画像コントラストになりますので腎機能障害の患者さんには福音となります。 特に安全に手術を行うための術前血管マッピング(図3)や緊急の場において命にかかわる重要な診断が造影CTでのみ得られる場合などにおいて、従来では腎機能障害の患者さんには造影剤使用を躊躇する場面もありましたが、当院では1/3の造影剤使用で多くの場合問題なく造影CT検査を施行することができるようになりました。
b. 造影剤画像(Iodine no water 画像)の活用
造影CTを施行する場合に従来CTでは難しかった造影剤の効果のみを強調する画像(Iodine no water画像)を取得可能になりました。この画像を取得することで、従来では造影されたかどうか微妙な病変も評価が容易となり良悪性の診断能向上に役立つようになりました(図4)。 逆に造影CTのみで単純CTを作成することも可能ですので、単純CTを省略して被ばく線量を減らす効果を得ることも可能です(図4)。 救急CTにおいても腸管虚血の診断に腸管壁の造影効果の評価が容易となりました。さらにこの造影剤画像は造影剤量を定量化できるメリットがあります。このメリットを活用すると、特に肝臓の線維化の推定・膵癌の抗癌剤に対する効果の予測・心筋障害の評価など多くの臨床上有用な所見を得ることが可能となってきました(図5)。
c. 非造影(単純) CT でも有用性満載
スペクトラルCTでは造影剤を用いない場合でも有用性は満載です。
① 実効原子番号画像を用いた尿路系結石の成分解析
(尿酸結石と診断できる場合は投薬治療につながる)
(図6)
②カルシウム抑制画像を用いた骨折の新旧診断
(従来CTでは骨折がわかっても新旧が不明な場合も多い)(図7)
③電子密度画像を用いた存在診断/質的診断の向上
(従来CTで不可能な物質の密度に重きを置いた診断)(図8)
④低エネルギーレベルの仮想単色X線画像を用いた脂肪検出
(従来CTで診断が難しいX線陰性結石や副腎腫瘍の鑑別など)(図9)
⑤高エネルギーレベルの仮想単色X線画像を用いた金属アーチファクト除去
(体内金属周囲の診断能向上)
などが挙げられます。
d. 超高速スペクトラル CT の導入
2台のスペクトラルCTは従来CTよりも高速撮影可能な装置ですが、そのうち1台は超高速スペクトラルCTです。撮影時間は、胸部CTで1秒未満、胸腹部骨盤CTで約2秒程度です。こちらのCTでは息止めが難しい患者さんや心臓CT検査など動きが速い臓器を撮影する場合に特に活用しています (図10)。このCTが導入されてから息止め不良に画像ブレで診断困難となる場面がほぼ皆無となりました。造影剤減量撮影と並んで患者さんに優しい装置と言えます。
2.全ての MRI 検査はフルデジタル装置での撮影
当院のMRI装置は3テスラ装置1台と1.5テスラ装置1台の合計2台が稼働しています。従来はアナログ送信のMRI装置でしたが、2台ともフルデジタル装置となり画質が格段に向上しました(図11)。 また圧縮センシングという技術を用いることでさらに画質が向上しましたが、時間短縮にメリットを振り分けることも可能となりました(図12)。当院でのMRI装置での特長を部位毎に列挙したいと思います。
a. 情報量満載の頭部 MRI 検査
日常ルーチン撮影は、T1WI,T2WI,FLAIR法,T2*WI, 頭頸部MRAに加え、非造影潅流画像を撮影するようにしました。これにより造影剤を用いることなく脳実質および脳血流の異常がわかりやすくなりました。また長時間撮影が難しい患者さんには、超高速撮影にて上記の撮影が数分で終了する撮影プロトコルも設定可能です(図13)。
b. 造影剤を用いず心大血管撮影
冠動脈精査には造影CTが今やスタンダードですが、スクリーニング検査として造影剤不使用、被ばくのない撮影がMRIで可能です。 当院では冠動脈と心筋を評価する心臓ドック検査も短時間で精度良く撮影可能となりました(図14)。 また大動脈疾患やその他の血管系においても、造影剤を用いることなく検査を行うことが可能です(図15)。
c. 胸部 MRI の進化
一般的に肺のMRIは画像が歪むのでMRI検査の適応にはなりにくいです。ところが当院のMRIは、歪みを最小限にすることが可能なので適応になる場面があります。肺野精査の第1選択検査は通常CTですが、 CTで診断が難しい場合に精査としてのMRIがしばしば診断に役立ちます(図16)。
d.高画質な腹部 MRI 検査
フルデジタル装置にて腹部全般のMRI画像が高画質となりました。胆管や膵管検査であるMRCP検査では、様々な動き補正技術によりほとんどの場合において画像ブレの少ない画像取得ができるようになりました。
e. 体幹部全体のスクリーニング MRI 検査(whole body MRI)
体幹部の悪性腫瘍や炎症のスクリーニング検査です(図17)。PETのような画像です。造影剤不使用・注射なし・被ばくなし・検査時間は30分で終了するという非侵襲性です。悪性腫瘍治療中の経過観察にも有効です。治療効果判定や治療法変更のきっかけとなり得る検査法で、当院では2004年から施行していますが最近話題となっている検査法です。
f. 脊椎・関節・骨軟部検査
当院の検査の特長として3D撮影(薄いスライス撮影という意味)を十分に行うことが挙げられます。細かい構造を把握するために細かく撮影して詳細な診断を可能とします。 フルデジタル撮影および圧縮センシングにより高画質な3D撮影が可能となりました。さらに近年ではMRIで撮影するCTみたいな画像も撮影することが可能となり臨床に応用されています(図18)。
3.最先端の前立腺生検法(MRI ガイド下、MRI-US 融合下)
前立腺生検は一般的に超音波を使って行います。ところが前立腺癌が超音波にて描出しづらい難点があるため、系統的生検(前立腺をくまなく10-12カ所生検を行うこと)が推奨されています。このため生検による前立腺癌検出率は一般的には25-40%程度と報告されています。この精度を高めるために事前にターゲット化が難しそうな患者さんには当院では2通りの精度の高い生検を勧めることがあります。 従来はMRI室で生検を行うMRIガイド下前立腺生検(図19)を行っていました。この手法は最も生検精度が高く、全国でも当院のみ施行されているため全国から紹介があるほどでしたが、自由診療のため保険適応外というデメリットがありました。 そこで近年普及してきた保険適応内のMRI-US融合下前立腺生検(図20)を2022年から開始し前立腺癌診療の一助として活用しています。
4.当院 RI の特徴
当院のRI(シンチ)装置は、SPECT(断層画像)やCTやMRIと融合画像を作成することが可能であり、質の高い検査を目指しています。心筋シンチ、骨シンチ、腎シンチ、脳血流シンチが検査の主体です。心筋シンチではCTを用いた吸収補正画像やCTやMRIとの融合画像を作成し狭心症や心筋梗塞患者さんの治療方針決定に役立てています(図21)。
CT と RI の融合画像
RIだけでは実際の病変位置が分かりにくいので、この患者さんのように血管構造はCTで、病変心筋はRIで描出して、実際に治療の対象となる血管(青矢印ではなく赤矢印)を事前に決定することが可能になりました。
骨シンチも最近ではコンピューター診断を取り入れ診断精度を上げています。脳血管内治療が最近当院でも行われるようになったため脳血流シンチが治療方針や治療効果判定に役立っています。
5.くまちゅう画像ネット(地域医療画像連携ネットワークシステム)
熊本中央病院では平成24年から近隣の病院約50施設との間で「くまちゅう画像ネット」を開始しました。近隣の病院から紹介の患者さんが当院で検査を受けた場合には、即座にオンラインで紹介病院への画像結果返送を可能としました。
このことにより両病院での画像を合わせて経過観察することも可能となり、余分な検査を受けることもなくなりました。
また、オンライン検査予約も可能となりましたので、土日や深夜でも検査予約が可能となりました。実際にこのシステムを開始して、地域医療連携に役立つシステムであることを実感しています。
6.まとめ
熊本中央病院は、患者さんに優しく精度の高い放射線機器の使用をモットーに常に最新に近い状態で使用できるように、ほぼ毎年のように装置の更新やバージョンアップを行っています。また画像診断も装置1台毎に画像診断医が常駐し、迅速で正確な診断を心がけ日常診療を行っています。このため当院では外来検査後、即座に画像診断レポートを発行することが可能です。
このような体制を整えていますので、熊本中央病院で安心して検査をお受け下さい。